「転生・テレパシー・家族のアイドル・偽令嬢・発狂」秋元楓は、ある日突然本の世界に転生してしまった。 良い知らせ――転生した先は、なんと名門の令嬢だ。家族は全員、誰もがトップクラスの大物だ！父親は名門の主、長男は冷徹な社長、次男はトップ俳優、三男は名医、四男は鉄血の男、末子は天才ハッカー。 悪い知らせ――だが、この家族、実は全員がヴィランで、誰も幸せにはなれない運命にある。名門は、最終的に壊滅的な結末を迎えることが決まっていた。 さらに悪い知らせ――楓は、実は偽令嬢で、家族との関係は最悪。 真の令嬢が現れるのを待っているだけで、楓は両親と五人の兄たちに見捨てられ、最終的には真の令嬢と対立して精神病院に送られる運命にあった。 楓は絶望的な気持ちで泣くこともできなかったが、毎月500万円の生活費が振り込まれると、思わず目を見開いた。 「あれ？じゃあ、適当にお金をもらって、何もせずに楽して生きればいいんだ！」 ある日、家で長男と偶然出会った楓は、こう考え込みんだ。「あの人、まるで孤独を好む氷山のように見えるけど、坂口家の大小姐に出会ったら、最後はその人に尽くしすぎて、すべてを失うんだろう」 尽くしすぎって？元々、女性には興味ないのに、ますます興味がなくなっただけだ。 次男は、今は華々しく活躍してるけど、最終的には名誉も地位も失う。三男は、誰かに扇動されて、権力争いに巻き込まれる。……そして、真の令嬢である高柳寧々が転生して帰ってきた。 前世では、寧々はその身分によってひどい扱いを受け、死の直前にやっと自分が名門の令嬢であることを知った。再び生き返った彼女は、すべてを取り戻す覚悟を決めていた！ 秋元家に乗り込み、偽令嬢の正体を暴こうとする。そして、両親や五人の兄たちの心を手に入れるつもりだ。 しかし、寧々が予想していた通り、すべてはうまくいくはずだったのに、偽令嬢は秋元家の核になり、五人の兄から溺愛される存在になっている…。